
Cawaz Base
Cawaz Base
埼玉県の高麗川沿いに位置する古民家をワーケーションスペース、キャンプ場として機能する拠点へと改修するプロジェクトです。
「都会に最も近い田舎」とも称される高麗は、四季折々のアウトドアアクティビティを楽しむ人々でにぎわいます。今回のプロジェクトの舞台となったのは、広い庭の中に赤い屋根の古民家が佇む場所。川沿いを走るサイクリストたちにとって、その風景は心に残る印象的な景色となっていました。
このプロジェクトでは、設計では、広大な前庭や高麗川へ続く裏道など、敷地の魅力を残しつつ、母屋と下屋の伝統的なシルエットを守りながら現代的な用途に対応する空間へと再生しました。自然と一体となれる体験と、集中して作業ができる生産的な空間の両立を目指しました。
ワーキングの用途として使いやすいことはもちろん、空間が高麗の自然にとけていくことに重きをおいて設計しています.
私たちの提案の要は、この土間でした。もともとこの土地は水害に弱く、湿り気の多い土地で、大きな台風の時には床上浸水のリスクもあります。
では逆に、低い土間を内部まで引き込み、敷地の持ち味である庭と連続させてはどうか。
さらにメインのフローリングを高床として設計すれば、そこに上っていくような空間体験も内部につくることができます。つやのある土間床の上で休息や仕事ができれば、この土地らしい、心地よい体験がうまれるのではないかと考えました。
結果、高麗のCAWAZ baseでしか持ち得ない居場所が生まれたと感じています。
CAWAZ baseのコンセプトは「秘密基地」。入り口から客席へ階段を上ってアプローチする構成や、天井高がで大きく変化する計画によって、訪れる人がワクワクする体験をデザインしています。また、広大な前庭は地域の夏祭りなどコミュニティの場としても活用され、地域と人、人と自然をつなぐハブとしての役割を果たしています。かつての古民家のアイコンである赤い屋根を残しつつ、内外の環境に新たな価値を吹き込むことで、高麗というエリアの重要な拠点として再生されています。
「地域の魅力を発掘して磨き、地域から日本の生産性を上げる」というクライアントの理念にもとづき、空間の設計に加えて地域の価値や開発気運を高めるためのクリエイティブを担当しました。地域資源を可視化することで、来訪者と地域住民による地域への愛着が強まることを目指しています。
Cawaz base